・プロローグ
毎年、収穫されたばかりの紫芋を1000個以上加工しています。それが20年以上続いています。その中で気づいた紫芋の見分け方を紹介しますね。
・紫芋の姿、形の見方
紫芋を加工すると言っても何でもかんでもいいというわけではありません。
まず大きさですけれども、あまり小さすぎる紫芋は肉色の紫の濃さがまちまちですし作業効率が悪いので避けたほうがいいです。少し大きすぎるくらいがちょうどいいですね。
紫芋の形は、紡錘形のもので、だいたい手の平より少し大きいぐらいの1個400g前後のものがいいでしょう。皮を剥きやすいし、食味も安定しています。そして何より作業効率がいいです。
皮の表面はできるだけデコボコしていないものを選びましょう。デコボコが多すぎると皮をスムーズに剥けません。 皮むき機ピラー以外に包丁なども使わざるを得なくなってしまいます。
皮以外にも取り除かれる部分が多くなるのでもったいないと思います。
紫芋は皮をしっかり剥く必要があるので剥きやすい形というのは必要条件ですね。
・紫芋はハリがありコチコチ硬いものを選ぼう
紫芋は傷みが早いのでなるべく新しいものを欲しいですよね。新しい紫芋はハリがありコチコチ硬いです。 触った時にパキーンとハリのあるものがいいです。 皮も剥きやすいです。ハリのないものは皮むき機ピラーがスムーズに動くことができません。
・紫芋の両端の切り口の大きさと色には特に注意
紫芋の両端の切り口を見ればその紫芋の傷み、新しさの程度がわかります。切り口が小さいほど新鮮です。 切り口が硬くてしっかりしていることも新鮮さの判断基準になります。 逆に切り口が大きいものは傷みが少し進んでいるとも言えます。皮を剥けば100%確認できます。
もし切り口に黒色や緑色のカビが少しでもあったら注意が必要です。外からは見えませんが皮を剥くと肉色が赤紫色ではなく オレンジ色に変化して腐っています。 色の変化がなかったとしても香りが鼻にツンときます。いかにも腐っているという匂いがします。
その紫芋が全部腐っているわけではありませんので、腐っている部分をしっかり取り除けば何の問題もありません。 取り除いて残った部分は美味しい紫芋として使用できます。
・まとめ
品種改良が進んだおかげでしょうか、農業技術の進歩でしょうか、10年ほど前から素晴らしい紫芋が入荷するようになりました。
私が20年前紫芋を加工し始めた頃は紫芋の生産量が極端に少なかったです。 紫芋を確保すること自体が難しかったので姿形、ハリのあるなし、切り口、傷みのことはさておいて紫芋販売所を探し回ったものです。
紫芋にデコボコあり、虫が食いついたような痕跡があったり、アリの巣のような穴があったり、切り口が大きいものがあったりと。 でも当時は貴重な紫芋でしたので、包丁などを使って傷んだ部分を丁寧に切り取って加工しました。
だから加工に相当時間がかかりました。ストレスも感じました。肩こりも激しかったです。 美味しいものを作るためにも時間短縮のためにも体のためにも、紫芋の見分け方は本当に大事だと思います。