美味しく蒸した紫芋を長く保存する方法とは?

この記事の目次

・プロローグ

20年以上にわたってお客様に紫芋ソフトクリームを販売してきました。年間を通じて品質の安定した美味しいと言ってもらえる紫芋ソフトクリームを作りたい。 そういう思いで考え出した保存方法です。

せっかく美味しく蒸した紫芋をちょっとでも長く、安心できる品質で保存したい。そう思っていたら是非参考にしてみてください。

・紫芋の性質

紫芋はどんなに頑張っても最初のいい状態のまま日持ちさせることはなかなか難しいです。購入したら2、3日のうちに皮をむいて小さめに切って蒸してください。

1回に100kgの紫芋をまとめて仕入れます。それを1日に10kgずつ加工し、10日間で終了させます。 その時に1日めに10kgの紫芋を加工しますと皮をむいて捨てた部分が約2kgあります。残り8kgが美味しい紫芋の部分となります。 次の日に加工しますと、皮をむいて捨てた部分が2.2kgになり、残り7.8kgが美味しい紫芋の部分です。 5日目になると、皮をむいて捨てた部分が3kgになり、残り7kgが美味しい紫芋の部分になります。 日毎に、傷みが増加していきますが、最後の10日目になると皮をむいたり傷んだ部分を捨てたりした部分が4kgになり、残り6kgが美味しい紫芋の部分になります。 これが、20年間紫芋を取り扱ってきてわかった事実です。平均値ですが、1日につき2%ずつ傷みが増えます。

ということでもわかるように、美味しい紫芋の部分をたくさん確保しようと思えば、購入して2、3日のうち加工することをお勧めします。

・紫芋は濡れに弱い

空気孔付きのビニール袋に入った紫芋を購入する時、蒸れて結露が発生し紫芋が濡れている場合があります。 紫芋が濡れていると傷む速度が極端に早まります。

ですので紫芋をビニール袋から取り出して風通しの良いダンボールなどに移し替えたほうがいいです。 紫芋が濡れていたらすぐに乾かしてくださいね。

・紫芋は寒暖の差に注意

秋も深まる10月、11月ごろになると霜が発生する時がありますね。そういう時結露が発生しやすくなります。 もし結露して紫芋が濡れているとそこから傷みが進んでいきやすくなります。 寒暖の差がある日は注意が必要ですね。

ダンボールに入れた紫芋の上に遮光ネットなどをかぶせておくと結露防止になります。

・紫芋は買ったら早めに加工しよう

”まずい紫芋を100%美味しくする加工術”を参考にしながら、紫芋を購入したらできるだけ早く加工してくださいね。それだけ多くの美味しい紫芋を確保できます。

・紫芋は蒸したものを真空しよう

”まずい紫芋を100%美味しくする加工術”で紹介しているように、紫芋は皮をむいて小さく切り、それを蒸します。 蒸し終えた紫芋を300gぐらいずつビニール袋に詰めて真空機械を使って真空状態にします。もし真空機械がなくてもできる限り空気を抜いて封をすればいいと思います。この場合は短期の保存になりますが。

・紫芋は冷凍冷蔵庫で冷凍し、冷凍ストッカーで保存しよう

真空状態にしたビニール袋詰めの紫芋を−18度以下で保存してください。これこそ紫芋の最高の保存方法となります。正しく行うと少なくとも1年間は品質保持できます。

そこで注意していただきたいことが1つあります。

冷凍保存する場合、まず冷凍冷蔵庫の冷凍室で冷凍して、−18度まで冷凍したら冷凍ストッカーの方に移し替えて保存していただきたいということです。 これは紫芋を長く保存させたいと思えば大事なところです。

私の失敗談ですけれども、冷凍ストッカーでカキ氷用の大きな塊の氷を作り続けていたら他の冷凍食品がことごとく傷んでしまいました。特にアイスクリームは目に見えて 傷みが激しかったです。結局、廃棄する羽目になりました。

基本的には、常温のものを冷凍していくのが冷凍冷蔵庫の冷凍室の役目であり、その冷凍されたものを品質保持いく役目を持っているのが冷凍ストッカーです。冷凍ストッカーは常にー18度以下を保つので安心できます。この−18度以下が長期保存できる条件です。これより温度が高いと長期の保存は期待できません。

このような経験をもとに正しい真空冷凍保存を行うようになりました。これ以来、品質を損ねたことは一度もありません。

・まとめ

”まずい紫芋を100%美味しくする加工術”を参考に加工した紫芋をどのようにして保存していくか。年間を通じて美味しい紫芋ソフトクリームを提供していきたい。 その思いで考え出した保存方法です。少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。

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