まずい紫芋が100%美味しくなる加工術

この記事の目次

・プロローグ

20年以上にわたって紫芋を扱ってきました。 毎年1000個以上、そして累計では2万個以上の紫芋を一つ一つ加工してきました。 お客様に販売するための紫芋ソフトクリームをつくるためです。

 

今でもたくさんのリピーターに愛されている紫芋ソフトクリーム。その美味しさの生命線である紫芋の品質は、非常に重要な部分です。

 

紫芋は、姿・形は普通のサツマイモと変わりませんが、全然、別の物として取り扱う必要があります。 紫芋には、えぐみが多く含まれているからです。

 

紫芋のえぐみが残ったままですと、紫芋ソフトクリームは美味しくないですし、商品価値もありません。 人気をなくしてしまい、売上が伸びず、閉店に追い込まれるかもしれません。

 

このえぐみを、どのようにして100%取り除いていくか。

 

ここのところが、まずい紫芋を、美味しい紫芋に劇的に変えていく最高の方法、コツになります。

 

それでは、加工の仕方を詳細に明かしていきます。

・紫芋は、はじめに皮を剥こう

紫芋を、普通のサツマイモと同じように、煮たり焼いたり蒸したりしてがぶりと食べたら、まずかったということはないでしょうか。

 

その原因は、はじめに皮を剥かなかったことにあるんです。

 

皮を剥くことによって痛んでいるところ、腐っているところ、えぐみのある部分を発見できるんです。

・紫芋の表面の色に違い

紫芋の皮を剥いたら、表面の色が明らかに違う部分があることに気づくことでしょう。

 

茎に近い方(細い方)が濃い紫色で、 太い方に行くに従って赤紫色になっています。もし腐っていたらピンクの発光色になったり、オレンジ色気味になっています。

 

臭いも、明らかに鼻にツンとくるので、腐れを発見できるんですよ。

 

腐れを発見したら、臭いがなくなるまで薄めに少しずつ包丁で切り取って行きましょう。

 

鼻を紫芋に近づけて、紫芋のいい香りがしたらOKです。

・紫芋は、表面の色の違いに気をつけて切ります

皮をむいた紫芋の表面の色と色の境目を、目印に切り分けます。

 

紫芋のえぐみは、茎に近い方に多く含まれています。

・紫芋は、小さめに切ります

切り分けた紫芋を、それぞれ切られた面を下に向けます。

 

そして、その上を向いた紫芋をそれぞれ、上から見て十文字を書くように切ります。

 

その四つに切り分けた紫芋を、 横に寝かせて5ミリ間隔で切っていきます。

・小さく切った紫芋を水の中に投入します

少し深めのポリ容器に水道水を注入しながら、5ミリ間隔で切った紫芋を、少しずつ投入していきます。

 

そして、 浮かんできた紫芋は、どんどん取り上げていきましょう。

・浮かんだ紫芋と沈み切った紫芋は、しっかり分けます

浮かんだ紫芋と沈み切った紫芋は、味も食感も違いますので、しっかり別々の容器に取り分けましょう。

・浮かんだ紫芋と沈み切った紫芋を、別々に蒸します

浮かんだ紫芋と沈んだ紫芋を、別々に蒸します。 紫芋を蒸し過ぎると紫色が褪せてくるので注意が必要です。

 

ちなみに、私は、30センチの蒸し鍋で、約3kgの紫芋を蒸すのに、40分前後かかります。火力は、強火です。

 

出来上がりの目安は、蒸気穴から出てくる臭いです。

 

いい臭いに変わってきたら、火を止めて、蓋を開けて、紫芋に箸を指して、スーッと下まで行ったら出来上がりです。

・浮かんだ紫芋と沈み切った紫芋の味くらべ

浮かんだ紫芋は、ジュクジュクしてホクホク感がないことに気づくことでしょう。全く美味しくありません。

 

それに比べて、沈み切った紫芋は、甘みはさほどありませんが、ホクホク感があり、深みのある美味しさです。

・まとめ

このように、20年間、門外不出の加工術を初めて世に明かしました。

 

少し手間はかかりますが、確実に美味しくできる方法なので、参考にしてもらえたら嬉しく思います。

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